更紗について

 更紗について             bird32c

ラグにも更紗柄が使われています。このページでは更紗について、お話してみたいと思います。テキスタイル業界では服のプリント柄にも多く、私も沢山の更紗柄を幾度となく描いてきましたが、もともとポルトガル船やオランダの船で桃山時代から江戸時代にかけて日本に渡来したもので、インドが源流とされています。

15世紀半ばから17世紀半ばにかけての大航海時代、ヨーロッパ、特にポルトガルやスペインからアジア、アフリカ、アメリカ大陸などに大規模な航海が行われました。更紗も各国に運ばれ、世界中の人々がその美しさの虜になり、日本でも大名や粋な人々が敷物や袋物などにするために競って買い求めたと言われています。

そのインド更紗も、渡来して国によって柄域もかなり変わって技術や感性で、その国ならではの独特な更紗になっていきました。

ヨーロッパ更紗、ペルシャ更紗、エジプト更紗、シャム(今のタイ)更紗、インドネシア更紗、日本の和更紗の特徴をあげてみます。

※ヨーロッパ更紗
近世初期、16世紀以降ヨーロッパの東洋への進出によってもたらされ、ヨーロッパの各国に広まって人々の心を大変魅了させました。フランスでは模造の更紗から、どんどん形が変わり木版から銅板に進化。日本にもオランダ船で、幕末に入ってきて、オランダ更紗とも呼ばれ親しまれてきました。

※ペルシャ更紗
中世以降はインドとペルシャとの交流が盛んに行われるようになり、更紗の産地でもあるインドにペルシャの人々が頻繁に出向くようになり、技術をペルシャに持ち帰り広めていきました。インドの技術と変わらないような精巧な更紗が仕上がっていきました。

※エジプト更紗
15世紀から16世紀にかけてインドから輸出された更紗で、エジプトのフォスタートの遺跡で発掘されたものなどがあります。フォスタートはカイロの一部になっています。

※シャム(今のタイ)更紗
もともと仏教寺院の為に造られた更紗ですが、インドで造られ輸入し、シャム更紗と名付けられたものです。細い線は、とても精密で仏や動植物文様がユニークに描かれています。インド更紗の中でも特別、精巧な技術が施され日本でも古くから伝わり大切にされてきました。

※インドネシア更紗
ジャワ島やスマトラで造られている更紗で、インドネシアに運ばれるインド更紗に大きな影響をうけています。ジャワ島の更紗は主に藍と茶系統の染料を混合したソガ染料を鑞(ろう)防染で文様を表現しています。通常私たちはバティックと呼んでいます。

※日本の和更紗
日本でもインドから持ち込まれた更紗に影響をうけ造られるようになりましたが、インドと同じような染料がなく、様々な型紙を作って顔料を摺り込んで日本独特の技法で美しい更紗に変わっていきました。

更紗の歴史は、とても古くインド更紗が基本ですが、インドは多くが熱帯多雨地帯で16世紀以前に遡る染織品があまり残っていないそうです。他の国々に古渡したものや、文献から研究されたものです。